JAIST産学官共創フォーラムでは、その時々の旬なテーマをもとに先端科学技術情報をお届けする定期講演会を行っています。

令和6年度3回目の定期講演会は、酸化物デバイスのバイオ・医療分野への新展開 ~未来のセンサ技術の可能性を読み解く~ をテーマに、三菱マテリアル株式会社 専任研究員 土井 利浩氏と北陸先端科学技術大学院大学 教授 高村 禅氏、講師 廣瀬 大亮氏にご講演いただきます。 
JAIST産学官共創フォーラム会員のみなさまだけではなく、一般のみなさまも参加(オンライン参加無料、会場参加有料)いただけますので、関心のある多くのみなさまの参加をお待ちしています。

JAIST産学官共創フォーラム・令和6年度 第3回定期講演会

日 時:2025年2月4日(火)16:00 〜 18:00 ※18:00より交流会
場 所:
北陸先端科学技術大学院大学 金沢駅前オフィス(ポルテ金沢 9階)
    およびオンライン(ZOOM)
    ※交流会は、Microsoft Base Kanazawa(ポルテ金沢 地下1階)にて行います。
     交流会では、
オードブルとお飲み物(アルコール含む)を準備しております。
定 員:会場(30名)、オンライン(50名)
参加費:オンライン参加 無料
    会場参加
    ・JAIST産学官共創フォーラム会員:無料 ※1
    ・一般の会場参加:2,000円(交流会参加費含む)
    ※1 交流会費:法人会員の方は無料、それ以外の会員の方は1,000円
    ※ 会場参加、オンライン参加ともに事前申し込みが必要です。
    ※ 当日会場にて現金でお支払いください。

申込み:こちらの申し込みフォームよりお申し込みください。
    申込期限:2025年1月29日(水)
    JAIST産学官共創フォーラム会員の方 
    一般の方(会員以外)        


1.開催概要 
バイオセンサは、医療、環境、食品、農業など多岐にわたる分野で活用され、健康診断、感染症の迅速診断、水質・空気質の監視などに貢献しています。さらには、AIの活用により精密なデータ解析やモニタリングが可能となり、個人の健康管理から地球規模の環境保全まで幅広い課題に対応できる可能性があります。
コスト低下や性能向上により普及が進み、生命を測る革新的な技術として持続可能な未来を支える重要な研究についてご紹介します。

2.講演テーマ
酸化物デバイスのバイオ・医療分野への新展開
~未来のセンサ技術の可能性を読み解く~

3.
講演
題目1:
酸化物デバイスを用いた病原体センサや細胞機能解析
講演者:北陸先端科学技術大学院大学 バイオ機能医工学研究領域

    教授 高村 禅 氏
概 要:
酸化物材料を用いると、圧電材料や半導体を比較的容易にガラスやウエハ上にパターンニングできます。この技術を用いると、アクチュエータやトランジスタ等の能動素子を、血液や細胞等が流れる微小流路と共に一つのチップの上に集積化することができます。我々はこの技術を用いて、多くの弁やポンプ、トランジスタを一体化した高機能なマイクロ流体デバイスを開発してきました。今回は、電界効果型酸化物トランジスタと独自開発の等温増幅法を組み合わせ、短時間でウイルスや病原菌をPCRに迫る感度で検出できるセンサや、認知症やALS等神経疾患の研究のための1細胞RNA解析デバイスをご紹介します。
経 歴:
1995年東京大学工学系研究科博士課程卒、1995年日本学術振興会特別研究員(PD)、1996年文部省宇宙科学研究所助手、1999年東京大学大学院工学系研究科助手を経て、2003年に北陸先端科学技術大学院大学に助教授として着任、2011年同教授。 専門分野は、半導体微細加工、微小流体力学、バイオセンサ、マイクロプラズマ。

題目2:
分子検出と試料識別に向けた酸化物トランジスタ型センサとAIの融合
講演者:北陸先端科学技術大学院大学 バイオ機能医工学研究領域
    講師 廣瀬 大亮 氏

概 要:
迅速に高精度に目的分子を検出できるデバイスとして、酸化物トランジスタ型センサの研究が進められています。しかし、高感度であるが故に、わずかな環境変化にも影響を受けてしまう課題があります。この課題を解決するため、現在、AI技術である機械学習との融合を試みています。本講演では、酸化物トランジスタとAIと組み合わせることで得られた結果について紹介します。
経 歴:
2014年に北陸先端科学技術大学院大学 下田達也研究室にて博士号を取得、同年 研究員として、酸化物プリンテッドエレクトロニクスプロセスに関する研究を行う。2017年TDK株式会社に入社後、電子部品の研究開発に携わる。2019年に北陸先端科学技術大学院大学 高村禅研究室研究員、2020年同研究室 助教となり、酸化物トランジスタ型バイオセンサの研究に従事。2024年北陸先端科学技術大学院大学 講師となり、酸化物トランジスタ型センサと機械学習とを融合させる研究をスタート。現在に至る。

題目3:ゾルゲル法による機能性薄膜開発とデバイスへの応用
講演者:三菱マテリアル株式会社 イノベーションセンター 
    PMO-C1 (専任研究員)
土井 利浩 氏
概 要:
ゾルゲル法は、簡便で低温、非真空条件下において複雑な組成の酸化物薄膜を形成可能な技術です。これらの特性を生かし、薄膜分野でのさまざまな応用が検討されてきました。三菱マテリアルでは、強誘電体メモリや焦電センサ、インクジェットヘッドなどへの応用が期待されるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)薄膜形成材料の開発を行い、実用化を達成してきました。本講演では、ゾルゲル法の基礎、チタン酸ジルコン酸鉛薄膜の開発と圧電MEMSへの応用、さらには最新のバイオセンサへの応用事例について紹介します。
経 歴:
2010年、大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻を修了。三菱マテリアルに入社後、一貫して湿式成膜法を用いた機能性薄膜の開発およびそれらを応用したデバイス開発に従事。圧電MEMS向けPZT形成材料の実用化に成功。2015年から2016年にかけて、フランスのCEA-Letiにゲスト研究員として派遣され、圧電MEMSの開発に取り組む。

催:一般社団法人JAIST支援機構

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